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地主の相続対策で気をつけるべきことについて弁護士が解説

2020年04月30日
  • 遺産を残す方
  • 地主
  • 相続
地主の相続対策で気をつけるべきことについて弁護士が解説

浜松市のホームページでは、課税されている方が亡くなった場合や土地・建物などの相続が発生した場合に手続きが必要であることを案内しています。ご存じのとおり、相続が発生した場合、被相続人(亡くなられた方)が地主だった場合は相続財産額が大きくなる傾向があります。不動産をはじめとする大切な財産を円満な形でしっかりと相続人(財産を受け取る方)に引き継ぐためには、生前からの相続対策が不可欠です。

そこで本コラムでは、地主の方が相続対策で気をつけるべきポイントについて、ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスの弁護士が解説します。

1、地主が円満に遺産相続するための対策方法

まず、基本的な相続対策について紹介します。

  1. (1)財産の分割や組み換え

    まずは、金融資産や不動産など多様な相続財産について調査を行い、どのような財産が、どこに、どのくらいあるのかをしっかりと把握します。この段階で財産の一覧表を作っておくことをおすすめします。

    全財産の内容を把握することで、より精度の高い相続税総額のシミュレーションが可能になるはずです。また、このとき一団の土地など相続人のあいだで公平に分割することが難しい資産が見つかることがあります。このような資産の場合、相続税評価額を考慮しながら売却して現金や生命保険への組み換え、あるいは他の分割された不動産に組み替えることを検討できます。

    なお、この一覧表は、次項で解説する遺言書を作成した際に「財産目録」として活用することができるでしょう。

  2. (2)遺言の作成

    洗い出した相続財産を相続人が相続しやすい形で分割したら、誰に・何を・どのくらいの割合で相続させるか検討したうえで遺言書を作成しておくことも一案です。

    「遺言」とは、死亡した人の意思表示を文書で示すものです。そして、遺言の内容は、その実現は相続人などの関係者が互いに協力するということを前提に、民法第960条以下の規定により強い法的拘束力を有しています。

    相続対策でもっとも重要なポイントのひとつは、ご自身が死亡したあとに相続人が何も争いごともなく円満に遺産を分割できるようにしておくことです。相続税の優遇制度の活用を視野に入れた相続の手続きには、期限があるものが少なくありません。財産目録と遺言書を作成しておくことは、相続人に対する思いやりといっても過言ではないでしょう。

  3. (3)相続税の納税資金対策

    財産が多く相続税評価額が大きい場合は、相続人が負担する相続税額も大きくなります。遊休不動産を売却するなど生前に積極的な蓄財により現預金などの金融資産を確保しておき、相続人の納税資金を手当てしておくことも一案です。また、遊休不動産については賃貸アパートにするなどの対策を講じておくことで、相続税評価額を引き下げる効果や収益性向上が期待できます。

    もし、どうしても相続発生後は物納せざるを得ない不動産がある場合は、早めに測量や隣地との境界を画定しておくなど、物納に的確な状態にしておくことをおすすめします。

2、不動産の相続対策

地主の場合は財産額が大きく、そして不動産が財産総額の大きな割合を占めることになります。そのため、地主ならではの相続対策が必要になるのです。なぜなら、不動産は金融資産と異なり客観的な時価が存在しないため、相続税評価も不動産の持つ個別性や利用状況などによって異なるからです。

また、相続発生後に相続人が納税資金確保のために不動産を売却する場合、買い主がなかなか見つからないなど想定していた以上に売却までに時間を要すること、あるいは期待していた金額で売却できず結局納税資金が不足してしまうということもあり得ます。したがって、地主として多くの不動産を所有している場合は、できるかぎり早いうちから相続対策を行うことが重要です。

以下では、不動産の相続対策の流れをご説明します。

  1. (1)現状の把握

    まずは、所有する不動産をリスト化し、その所在を地図上にまとめます。このとき、当該不動産の利用状況や所有形態についてもしっかりと確認しておいてください。このように所有する不動産をリスト化しておくことは現状を正確に把握できるため、今後の不動産所有のあり方、つまりこのまま保有しておくか、あるいは売却して他の資産に組み替えるかなどを検討するための基礎となります。

  2. (2)不動産の分類

    所有する不動産の現状を把握しても、どの不動産に対してどのような相続対策を行うべきなのか、具体的イメージはつかみにくいものです。そこで、所有する不動産をそれぞれが持つ特性に基づいて、「自宅など後世に残す不動産」、「有効活用して収益を得るための不動産」、「納税資金確保のための売却する不動産」の3つに分類します。

    このように所有する不動産を3つに分類することで、「収益性」・「換金性」・「有効利用の可能性」など、個々の不動産が持つ特性や可能性に合わせた相続対策を講じるためのベンチマークとすることができます。なお、先代から引き継いだ不動産のなかには思い入れがある不動産もあると思います。このような思い入れを単純に数値化することは難しいのですが、分類を行うための判断材料のひとつにもなるでしょう。

  3. (3)対策を検討する

    上記により分類した内容に基づき、それぞれの不動産に適した具体的な対策を検討します。これにより、不動産の価格査定や測量、境界の画定、賃貸条件や建築プランの検討など、計画的な相続対策を進めることができます。また、相続対策を実施することでどのような効果が期待できるかということも把握することができます。

    なお、相続対策を計画するうえでは効果的である点はもちろんのこと、実行可能かという点も見極めておくことが必要です。

3、貸宅地は整理すべき?

地主の方の中には所有する不動産を「貸宅地」としている方も多いと思います。しかし、所有する不動産を貸宅地のままにしておくことはおすすめできません。

まず、貸宅地は同一の土地でアパートなどの賃貸物件を経営した場合と比べて、著しく収益性が低いことが一般的です。また、数十年前の借地契約・宅地契約をそのまま更新し続けていた場合は、現在の相場から比べると数分の1程度の収入しか得ておらず、固定資産税や都市計画税を賄う程度しかないという場合もあります。このような貸宅地はいわゆる「旧法借地権」呼ばれるものが多いのですが、旧法借地権は借地人の権利が地主の権利よりも強く保護されており、地主の都合で借地人を立ち退かせることが非常に難しいのです。借地権者が適切に地代を支払っていないのにもかかわらず、借地権者の居住権などを理由に退去が認められない可能性すらあります。また、借地契約期間が満了しても地代の引き上げが認められにくいという特徴があります。

このような背景から、貸宅地は地主が売却したくても借地人以外の買い手がつきにくいタイプの不動産です。特に相続発生後に税納税資金を確保するために売却するときは、借地人などの買い主から足元を見られて、低い価額で売却せざるを得なくなる事態も予想されます。さらに、貸宅地は契約内容のあいまいさや地代が相当に低いことなどを理由に、物納が認められないこともあるのです。

繰り返しますが、貸宅地のままで相続させることはおすすめできません。生前のうちに、底地買い取りの専門業者に依頼するか、借地権者から借地権を買い取り完全所有権としたうえで売却などを検討するとよいでしょう。

4、地主から相続する際に避けたい「共有」

不動産を共有で相続することと、1つの不動産について、登記簿謄本上2名以上の所有者が発生することになります。つまり、不動産を分割することなく共同で相続し所有することが「共有」なのです。

共有はもっとも公平な相続の方法に見えるかもしれませんが、不動産の共有は後々さまざまな問題を引き起こす可能性があります。実際に不動産を共有で相続し、時が経過してからその共有状態の解消に悩んでいる人は多いと考えられます。

共有する不動産は、売却や建て替えなどをしたくても共有者の1人が単独ではできません。何をするにしても共有者全員の合意が必要となるのです。特にアパートなど賃貸物件の場合は、賃料収入の取り分だけでなく、建て替えや修繕の方法、さらには費用負担割合などをめぐり、共有者間でトラブルになってしまうこともあり得ます。さらに、共有不動産は共有者から持ち分に応じた分割請求、つまり共有物分割請求を受けることがあります。このときに共有者間で金額などの条件が折り合わず、同じように共有者間のトラブルに発展することもあるのです。

さらに、共有の状態で代替わりが進んだ場合は、たとえば兄弟間で共有していた不動産がいとこ同士で共有する不動産となることも考えられます。こうなると、権利関係がさらに複雑になってしまうだけではなく、互いに面識もない人どうしの共有となる可能性もあるわけですから、よりトラブルが生じやすくなります。

以上の理由から、不動産を共有で相続させることは避けたほうがよいケースが多いものです。土地の形状などから分割が難しい不動産の場合、思い切って売却して他の資産に組み替えたうえで相続させることをおすすめします。

5、まとめ

相続対策は、非常に手間と時間がかかる場合もあります。そして相続対策には法的な専門知識が必要です。特に地主の場合は財産額が大きい傾向があり、財産の内容は権利関係や評価の難しい不動産が多いため、その相続対策をおひとりでぬかりなく講じることは難しいと考えられます。

地主の方が相続対策を講じるとき、弁護士が心強いパートナーとなります。相続対策のご相談は、ぜひ弁護士に依頼することをおすすめします。相続全般について知見のある弁護士に依頼すれば、円満な相続を目指すためのアドバイスはもちろんのこと、財産調査や遺言書の作成、さらには相続が発生した後の遺言執行者(遺言の内容を実現する人)の役割を任せることができます。また、税理士にも相談できれば、気になる相続税の面についても対策ができるでしょう。

相続対策を行うときは、ぜひベリーベスト法律事務所 浜松オフィスの弁護士までご相談ください。ベリーベスト法律事務所であれば、土地家屋調査士や司法書士、グループ法人に所属する税理士などと連携し、あなたの相続をワンストップでサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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