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違法になる転売とは? 該当する犯罪と罰則を浜松の弁護士が解説します

2020年08月07日
  • 財産事件
  • 転売
  • 違法
違法になる転売とは? 該当する犯罪と罰則を浜松の弁護士が解説します

令和2年2月、販売箇所が限定されている浜松市民のソウルフード「うなぎパイ」の生産縮小に伴い、インターネット上での転売が多発し、報道などで話題になりました。「転売」と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか。

最近では、ネットオークションやフリマアプリの人気により、転売は誰でも気軽にできるものとなっています。一方で、転売によって逮捕されるニュースや悪質な転売行為などを耳にし、「もしかしたら私も転売で逮捕されるのでは?」と心配に思っている方もいるのではないでしょうか。

今回は、違法になる転売と、違法ではない転売、さらに転売した結果逮捕されてしまう可能性について、浜松オフィスの弁護士がわかりやすく解説します。

1、転売は違法?

まずは転売を禁じている法律について確認していきましょう。

現代ではネットオークションやフリマアプリが大変身近なものとなっており、利用したことのある人は多いかと思います。買ったけれど行けなくなってしまったライブチケットを、このようなサイトやアプリで売ったことがある人もいるのではないでしょうか。前述したような「問題視される転売」がある一方で、不用品などの転売自体は誰でもできる身近な行為です。転売で思いも寄らない罪に問われないために、転売に関する法律を把握しておくことが重要です。

  1. (1)迷惑防止条例違反

    チケットなどを「転売目的で」購入し、他人に売却することを「ダフヤ(ダフ屋)」と言います。このダフヤ行為は、迷惑防止条例に抵触する可能性があります。迷惑防止条例とは、都道府県ごとに定められているもので、その内容も、都道府県ごとに異なります。

    静岡県の迷惑防止条例(正式名称は「静岡県迷惑行為等防止条例」)は、第7条において、以下の条文のとおり「ダフヤ行為の禁止」を定めています。

    転売する目的で得た乗車券等を、公共の場所又は公共の乗物において、不特定の者に売り、又はうろつき、立ち塞がり、つきまとい、呼び掛け、ビラその他の文書若しくは図画を配り、若しくは掲出し、若しくは乗車券等を提示して売ろうとしてはならない。


    よって、アーティストのライブチケットを他人に売る目的で購入し、公共の場で転売することは、静岡県の迷惑防止条例違反に当たる行為であり、罪に問われる可能性があるでしょう。

  2. (2)古物営業法違反

    古物営業法とは、古物の取引に関する法律です。ここで言う古物とは、「一度使用されたもの」「使用されていないが、使用のために購入したもの」「ある程度の手入れをしたもの」などをさします。

    このような古物を仕入れて売る古物商は、「古物商許可証」が必要です。古物営業法では、許可なしに古物の売買や交換といった営業をすることを禁止しています。転売は、古物を販売して利益を得る古物商とも捉えられますので、「古物商許可証」がない状態で転売すると、古物営業法違反になりかねません。

    ただし、自分のために購入して使用していたものを、不要になって他人に売る行為については、古物商許可は不要です。初めから転売目的で購入し、他人に売ることで利益を得るビジネスをする場合には、古物商許可が求められるのです。

    また、改正古物営業法は平成30年10月に一部施行されて、古物商許可証を持っている古物商でも、主たる営業所を届け出る必要があります。この届け出をもって、改正後の古物商許可を得たことになり、2年以内に届け出がないと許可証が失効してしまうので注意が必要です。

  3. (3)チケット不正転売禁止法

    チケット不正転売禁止法(正式名称は「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」)は令和元年6月に施行された法律です。具体的には、特定のコンサートやイベントチケットを不正に転売することを禁じた法律で、罰則も存在します。

    チケット不正転売禁止法で、転売が禁止されているチケットとは、以下の条件を満たしているチケットとなります。

    • 提示することで入場することができる紙のチケットやそれと同等の機能を持つ番号や記号、電子チケット
    • 不特定または多数の人に対して販売されたもの
    • 興行が行われる日時、場所、座席や入場資格者が指定されているもの
    • 興行主の同意なく有償譲渡することを禁じていることがチケットに表示されているもの
    • 入場資格者や購入者の氏名や連絡先を確認してあること


    以上の条件に合致するチケットを、興行主の同意なくチケットの販売価格以上の金額で転売する、大量に転売する等の行為があった場合は、チケット不正転売禁止法違反として罪に問われることがあります。

2、違反した場合の罰則は?

それでは、前述したような違反があった場合、どのような罰則が科せられるのでしょうか。それぞれについてみていきましょう。

  • 静岡県迷惑行為防止条例、第7条の違反:6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 古物営業法違反:3年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • チケット不正転売禁止法に違反:1年以上の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはこれを併科


どちらも懲役刑と罰金刑が定められており、量刑は違反行為の悪質性や、被疑者の反省度合い、前科の有無等によって判断されます。これらの罪に問われて有罪判決が言い渡されれば、前科がつくことになることも忘れてはなりません。

さらに、逮捕されてしまえば一定期間身柄が拘束されますので、社会的影響も見過ごせないでしょう。また、古物商許可は、罰を科せられてしまうと5年間は取得ができなくなります。

3、どのような場合に転売が違法とみなされる?

ではどのような転売が違法行為となるのでしょうか。具体例を交えながら確認していきましょう。

  1. (1)転売目的で購入して公共の場所で転売した場合

    アーティストのライブチケットを他人に売る場合でも、最初から転売目的だったというケースばかりではありません。純粋に自分がライブに行くのを楽しみにしてチケットを購入したにもかかわらず、予定変更などで残念ながら行けなくなってしまった、という場合に、友人に定価でチケットを譲渡することもあるでしょう。この場合は、もともと転売目的で購入した訳ではないので、ダフヤ行為には当たらず、迷惑防止条例には違反しません。

  2. (2)古物商許可証なしで転売した場合

    転売目的で仕入れたものを売るというビジネスをする場合は、古物商許可証が必要です。古物商許可証があっても、迷惑防止条例で禁止されているダフヤ行為をするのは違反となります。たとえば、イベント会場の前や駅の構内などの公共の場所で転売する行為は、古物商許可証があったとしても、ダフヤ行為ですので、違法です。

    それではどのような場合が転売目的と定義されるのでしょうか。一般的には、大量の購入や継続的な購入があった場合、転売目的の購入とみなされることが多い傾向があります。このような場合は、「自分で使うために買った」などと言っても、苦しい言い訳になってしまうでしょう。初めから利益を出すために購入していると判断されるおそれがあります。このとき、古物商許可証がなければ取り締まりを受ける対象となる可能性が高いといえるでしょう。

  3. (3)チケット不正転売禁止法の対象となるチケットを高額転売した場合

    チケット不正転売禁止法においては、対象となるチケットを購入価格以上の金額で売却した場合やそれを業として行った場合に、違法となります。業としてというのは、反復・継続して何度も転売することです。

    また、チケット不正転売禁止法では、インターネット上での転売も禁止対象としていますので、従来は違法とならなかった行為も違法になる可能性があります。

4、逮捕される可能性は否定できない

ここまで、違法となる転売、違法にならない転売について解説しました。まとめると、次のようになります。

  • 転売目的ではなく買ったものの、不要になって転売する場合は違法ではない
  • ダフヤ行為にあたるものは、各都道府県の迷惑防止条例で禁止されていることが多い
  • 古物商にあたる営業は、古物商許可証がなければ違法となる
  • 古物商許可証があってもダフヤ行為は禁止されている
  • チケット不正転売禁止法の対象チケットはインターネット上で転売しても違法となる


違法な転売行為をした場合、罰金などを支払うことになってしまったり、警察から呼び出しを受けたり逮捕されたりして、前科がついてしまう可能性があります。

特に、マスクの転売については、インターネット上でも厳しく糾弾され、異例の速さでマスクの高額転売を禁じる法律が施行されました。違反し、有罪になれば1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることになります。

モラルやマナーを逸脱した転売行為は、突然行政やプラットフォームによって禁止されるだけでなく、罪に問われる可能性があります。転売を行うビジネスを検討する際は、適切な許可をとった後、弁護士に相談しながら進めたほうがよいでしょう。また、すでに警察から取り調べの対象として連絡を受けているときや、逮捕されたときは、速やかに弁護士を依頼することをおすすめします。

5、まとめ

本記事では、転売と法律との関係について解説しました。インターネットの普及により、誰でも簡単に不要品を転売できるようになり、売る方にも買う方にもメリットのある転売が増えました。他方、むやみに商品を買い占めたうえで高額転売を行うと、条例や法律に違反したとして逮捕されてしまう可能性があります。もし逮捕されてしまえば、逮捕されてから起訴されるかどうかが決定されるまでの間だけでも、最長23日間ものあいだ、身柄の拘束を受けることになるため、日常に大きな影響を及ぼしてしまう可能性は否定できません。

転売により警察から呼び出しを受けているときや、逮捕されてしまったときは、ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスでご相談ください。浜松オフィスの弁護士が状況を適切に把握した上で、最適な対処法をアドバイスします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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