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住宅ローン審査に落ちたら手付金は? トラブルにならないための対処法

2022年05月30日
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住宅ローン審査に落ちたら手付金は? トラブルにならないための対処法

浜松市統計書によると、2020年度によせられた市民相談のうち、「不動産の売買」に関する相談は83件となっています。不動産売買トラブルのひとつとして、手付金の返還が挙げられます。

たとえば、マイホームとなる不動産を購入する場合、買い主は売り主に対して手付金を預けるのが一般的です。しかし、マイホームの売買契約を締結した後、買い主が住宅ローンの審査に落ちてしまう場合もあります。この場合、手付金の返還に関する契約の解釈などを巡って、売り主と買い主の間でトラブルになってしまうケースも少なくありません。

今回は、住宅ローン審査に落ちた場合に手付金を返してもらえるのかどうか、また買い主から見た不動産売買契約のチェックポイントなどについて、ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスの弁護士が解説します。

(出典:「浜松市統計情報」「市民相談の状況 民事相談内訳」(浜松市))

1、手付金の3つの法的性質

不動産売買契約において、買い主から売り主に交付されることの多い手付金には、法律上以下の3つの意味合いがあります。

  1. (1)証約手付

    証約手付とは、契約の成立を証する意味で交付される手付金を意味します。

    すべての手付金は証約手付としての性質を持っていると解されますが、証約手付だからといって、特段何らかの法的効果を持つわけではありません。

  2. (2)解約手付

    解約手付とは、放棄または倍返しによって、売買契約を解除できる効果を持つ手付金を意味します(民法第557条第1項)。

    買い主は手付金を放棄する、売り主は手付金を買い主に倍返しにすることで、それぞれ売買契約を解除することができます契約で別段の合意がない限り、手付金は解約手付としての性質を持つと解されます

    なお、宅地または建物の売買について、宅地建物取引業者が自ら売り主となる場合には、契約内容にかかわらず、買い主による手付解除は常に認められます(宅地建物取引業法第39条第2項)。

  3. (3)違約手付

    違約手付とは、売買契約上の債務不履行が生じた場合に、違約罰(損害賠償の予定)として没収される手付金を意味します。

    手付金が違約手付としての性質を有するのは、契約上で特に合意された場合に限られます。

2、住宅ローン審査に落ちたらどうなる?│契約の解除・手付金

住宅ローンを組んで居住用不動産を購入する場合、先に売買契約を締結して、その後に住宅ローンの本審査を申し込むのが一般的です。そのため、売買契約の締結後に、住宅ローン審査に落ちてしまう可能性もあります。

住宅ローン審査に落ちた場合には、買い主は不動産売買契約を解除できるケースが多いのですが、手付金が戻ってくるかどうかについては、契約内容をよく確認する必要があります。

  1. (1)住宅ローン特約があれば手付金を返してもらえる

    住宅ローンを組む場合、不動産売買契約に「住宅ローン特約」を規定することが多いです。

    住宅ローン特約とは、住宅ローンの借り入れができなかった場合に、無条件で不動産売買契約を解除できる旨の契約条項を意味します。住宅ローン特約に基づいて不動産売買契約を解除した場合、買い主は売り主から手付金を返してもらうことができます

  2. (2)住宅ローン特約がなければ手付金は戻ってこない

    住宅ローンを組んで不動産を購入する場合でも、不動産売買契約に住宅ローン特約が規定されていないケースもあります。

    この場合、売り主が不動産売買契約を解除するための次なる手段は「手付解除」です。

    手付解除とは、買い主が手付金を放棄することで、不動産売買契約を解除できることです。そのため、手付解除をすれば、違約金や損害賠償の支払いは不要です。

    ただし、手付解除をするために手付金を放棄しなければならないため、手付解除は住宅ローン特約に基づく契約解除よりも、買い主にとって不利と言えます。

  3. (3)「手付解除」ができない場合もある

    買い主による不動産売買契約の手付解除は、以下の場合には認められない点に注意が必要です。

    ① 手付金が解約手付としての性質を有しない場合
    宅地建物取引業者が自ら売り主となる場合には、買い主の手付解除権を排除する特約は無効となります(宅地建物取引業法第39条第3項)。

    これに対して、売り主が宅地建物取引業者でない場合には、不動産売買契約の中で特約を定めれば、手付解除を排除することが可能です。特約により手付解除が排除されている場合、買い主は不動産売買契約を手付解除することができません。

    ② すでに売り主が契約の履行に着手した場合
    法律上、売り主が契約の履行に着手した後では、手付解除はできないとされています(民法第557条第1項但し書き、宅地建物取引業法第39条第2項但し書き)。

    売り主による「履行の着手」とは、具体的には引渡しと所有権移転登記手続きの準備をして、買い主にその旨を通知したことを意味します。したがって買い主は、売り主から引渡しと登記手続きに関する通知を受けて以降は、不動産売買契約を手付解除することができません。

3、不動産売買契約書の主なチェックポイント

マイホームを購入する際には、後でトラブルに巻き込まれるリスクをできる限り軽減するため、不動産売買契約上の以下のポイントをチェックしておきましょう。

  1. (1)住宅ローン特約の有無・期間

    住宅ローンを組んでマイホームを購入する場合、不動産売買契約に住宅ローン特約を規定しておくことは非常に重要です。

    事前審査等で良い感触を得ていても、本審査が通らない可能性がゼロではないため、万が一に備えて住宅ローン特約の規定を確認しておきましょう。

    なお、住宅ローン特約には期間制限が設けられるのが一般的です。期間を過ぎると住宅ローン特約に基づく解除が認められないので、住宅ローン審査の結果が間に合うように、早めに対応する必要があります

    審査申し込み等のスケジュールを立てるためにも、住宅ローン特約の期間をきちんと確認しましょう。

  2. (2)手付解除の期間

    手付解除が特約で排除されているケースはほとんど見られませんが、手付解除の期間制限が設けられているケースはしばしば見受けられます。

    宅地建物取引業者が自ら売り主となる場合、買い主による手付解除の期間制限を設けたとしても無効になります(宅地建物取引業法第39条第2項、第3項)。

    しかし、無効な条項が契約中に規定されていると、後にトラブルに巻き込まれるリスクが生じます。もし宅地建物取引業者が自ら売り主となる不動産売買契約について、買い主による手付解除の期間制限を設ける特約が規定されている場合には、見逃さずに指摘しておきましょう。

    一方、宅地建物取引業者以外の者が売り主となる場合には、手付解除の期間制限を設けることも有効です。

    この場合、期間経過後は手付解除ができなくなることを念頭に置いたうえで、住宅ローン審査等の購入準備を進める必要があります。

  3. (3)容認事項の内容

    不動産売買では、買い主にとって不利益となり得る事情を「容認事項」として、契約書や重要事項説明書に記載することになっています。

    容認事項に記載された事項については、買い主が後から不満を持ったとしても、売り主に対して損害賠償等を請求することはできません

    「想像していた物件と違った」ということがないように、容認事項の内容は隅々まで確認しておきましょう。

4、不動産売買に関するトラブルは弁護士に相談を

不動産売買は金額が大きい分、トラブルに発展した場合の損失リスクも大きくなりがちです。

たとえば、手付金を返すかどうかで売り主と揉めた場合、その後の対応次第で、数百万円単位で結果の差が生じる可能性があります。

特にマイホームの売買で個人が買い主となる場合、トラブルは金額のインパクトが大きいため、弁護士に相談して慎重に対応することをおすすめします。

弁護士は、売り主や不動産会社との示談交渉や、ADR・民事調停・訴訟などの手続きを通じて、不動産売買に関するトラブルの適正妥当な解決をサポートします。手付金の返還や物件の欠陥など、不動産売買に関するトラブルに巻き込まれた方は、お早めに弁護士までご相談ください

5、まとめ

住宅ローン審査に通らず、売買契約を解除せざるを得ない場合、解除の方法によって手付金が戻ってくるかどうかが変わります。住宅ローン特約に基づく解除であれば、手付金は戻ってきますが、手付解除であれば戻ってきません。

手付金の返還も含めて、万が一住宅ローンの審査に落ちた後の処理を円滑に行うためには、住宅ローン特約が規定されていること、およびその内容、特に住宅ローン特約の適用期限をきちんと確認することが大切です。

ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスでは、不動産売買に関する法律相談を随時受け付けております。不動産売買契約書のリーガルチェックから、実際に売り主や不動産会社とトラブルに発展した場合の対応まで、弁護士が幅広くサポートいたします。

不動産売買に関するトラブルにお悩みの方は、お早めに相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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