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レピュテーションリスクの回避策とは? 企業がとるべき対策を解説

2022年05月30日
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レピュテーションリスクの回避策とは? 企業がとるべき対策を解説

2016年の浜松市の調査によれば、同市内には、大企業も含めて3万5552もの事業所の設置が確認されています。

企業の大小を問わず、昨今ではインターネットを通じた情報発信などから企業への否定的な口コミや評判をコントロールする、いわゆる“レピュテーション管理”に悩まれている事業所も少なくないのではないでしょうか。

現代の企業経営では経済的な側面のみならず、数字にはあらわれない企業のレピュテーションが非常に重要視されています。なぜなら、レピュテーションを守ることは企業を維持向上させることにつながることになるからです。

この記事では、レピュテーションリスクを回避する方策や対策を、ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスの弁護士が解説いたします。

(出典:「地区別・産業大分類別の事業所数」(浜松市))

1、レビュテーションリスクの意味

  1. (1)レピュテーションリスクとは?

    レピュテーションリスクとは、企業などに、ネガティブな評判や悪評が起こり、世間に広まることによって、企業の社会的な信用が低下することをいいます。

    このようなレピュテーションリスクが実際に顕在化してしまった場合には、社会的な信用の低下によって、一時の財産的な損害にとどまらず、会社の経営自体が危機的状況に陥ってしまう場合もあります。

    レピュテーションとは、名声や評判といった意味を指す単語ですが、現在、このようなレピュテーションも企業の価値の重要な指標として位置づけられています。

    なぜ、重要視されるようになってきたのでしょうか。かつては、企業が評価される指標として、利益、売り上げなどの経済的な面が、もっとも重要視されていました。

    しかし、経済面を優先する企業によって、数多くの不祥事が生じたことで、社会が企業に求める倫理意識・法令順守意識が高まったこと、法令による規制の強化、SNSの発展などもあり、経済的な「数字」には現れない、レピュテーションも企業を評価するための大きな指標となったのです。

  2. (2)レピュテーションリスクが顕在化した場合には何が起こる?

    では、レピュテーションリスクが顕在化してしまった場合にはどのような影響が出るでしょうか。

    会社の評判・信用が下がってしまった場合には、BtoC(Busine to Consumer:企業対一般消費者の取引)の企業であれば、消費者はそのような会社の商品を購入することがなくなり、売り上げに影響が大きな出ることになります。BtoB(Busine to Busine:企業間取引)の企業も、取引先の企業が離れてしまい、原材料の購入先や販売先を失ってしまいます。

    また、金融機関からの資金調達が困難になるでしょう。さらに、信用が下がった企業からは従業員の離職があるでしょうし、新たな採用も難しくなってしまいます。このように、レピュテーションリスクが顕在化してしまうことで、会社は経営の危機が起きる可能性があるのです

    したがって会社経営者としては、利益などの「数字」だけではなく、会社のレピュテーションにも目を向けた企業経営を行う必要があるのです。

2、レピュテーションリスクになり得るケース

レピュテーションリスクが実際に生じてしまうと、顧客や取引先を失い、会社経営が困難になってしまいます。では、そのようなレピュテーションリスクはどのような場合に起こってしまうのでしょうか。

大きくは、

  1. ① 会社組織としての法令違反や不祥事があった場合
  2. ② 従業員個人の不適切な行動による場合
  3. ③ 風評被害による場合

の3つがあげられます。

以下では、現実に発生した事例も踏まえてそれぞれご説明いたします。

  1. (1)会社組織として法令違反や不祥事があった場合

    過去にはたとえば、以下のようなケースがありました。

    ● 食肉販売業者がコスト削減のため牛肉以外の部位も混ぜたにもかかわらず「牛肉100%」などとうたい販売していた事例
    この事例では、社内の内部告発によって不祥事が発覚し、最終的に会社は倒産するに至りました。

    ● 大手電子機器メーカーによる長期の不正会計が行われた事例
    この件も内部告発により不正が明るみに出て、株価は急落、会社は上場廃止の危機が生じました。また、隠ぺい関与した元社長らは刑事処分を受けるとともに巨額の損害賠償を命じられています。




    これらの事例のように、会社経営の危機が生じ、実際に倒産に至る場合があります。また、法令違反があった場合には、行政によって、たとえば工場の操業停止や営業停止などの処分が行われること珍しくはありません。

    さらに、会社や代表者に対して刑事罰が課されることもあります。カルテル(独禁法違反)などの場合には、巨額の課徴金が徴収されることもあります

  2. (2)従業員個人の不適切な行動による場合

    のケースとは異なり、会社組織ぐるみの不祥事ではなくとも、従業員の行動によって重大なレピュテーションリスクを招くことがあります。

    特に、近年では、SNSが発展しており、いわゆる「バイトテロ」や「炎上」が生じやすくなっており、従業員の単独・突発的な行動であっても、会社のレピュテーションを大きく揺るがしてしまうことがあります。

    たとえば、以下のような事例がありました。

    ● 宅配ピザのフランチャイズ店のアルバイト従業員が、厨房のシンクや冷蔵庫の中に入るなどの不適切な写真をSNS上にアップした事例
    この事例では、SNSで炎上、クレームが相次ぎ、運営本部は謝罪文を出すなど対応を行ったものの、失った信用は回復せず、フランチャイズ店舗は数年後に倒産に至ってしまいました。

    ● 通信教育大手会社のグループ会社の派遣社員が、顧客情報を売却し大規模な個人情報が流出した事例
    この事例では、顧客離れが生じ、会社は赤字となり、また、取締役も引責辞任することになりました。


    このように組織ぐるみではなく、従業員の突発的な行動であっても会社経営に甚大な影響が出ることになるのです。

  3. (3)風評被害による場合

    根拠のない噂やデマなどによっても、会社のレピュテーションが損なわれてしまうこともあります。ここでもやはり、インターネット、SNSの発達により、従前よりも風評被害の影響は大きいものになっています。

    2020年以降は、特に新型コロナウイルス感染症に関連した風評被害が目立っているといえます。たとえば、感染者が出ていないにもかかわらず、店舗からコロナ陽性者が出たなどの根拠のない噂によって、クレームやキャンセルが出るといった事例もありました。

3、レピュテーションリスクを回避するためには

レピュテーションリスクが顕在化すると、会社経営に深刻な影響を与えることになり、最悪は倒産にまで追い込まれることになります。

では、どのようにしてレピュテーションリスクが顕在化することを防げばよいのでしょうか。

  1. (1)従業員教育

    まず、基本的なことではありますが、会社役員や従業員個々人が、法令や社内規則を順守することの重要性を学び、また、会社としてもそのような学習環境を構築することが大切です。

    目先の利益や数字を上げるために法令を守らなかった場合には、最終的には会社にとって大きな損失につながることを自覚し、法令を順守することの重要性を従業員に伝えることが必要です。

    また、たとえ大企業であったとしても必ずしも現場の従業員が法令について十分な知識があるとは限りません。会社の法務部や人事部が、法令の社内説明会や研修を開催するなど、従業員の知識を向上させることも大切です。また、法務部が最新の法令改正や判例をキャッチアップしセミナーなどに参加することも重要です。

    さらに、前述 の通り、従業員の投稿によってSNSなどによる炎上が起き、レピュテーションを失墜させてしまう事例が多数起きています。法令を順守するだけではなく、イメージも含め、企業として従業員にどのようにSNSをすべきか、ネットリテラシーを向上させる取り組みも大切となります。SNSの利用方法に関する社内研修を実施するほか、企業によっては、SNSの利用方法を社内規則として定めているところもあります。

  2. (2)社内体制の整備

    会社のレピュテーションが下がる典型的なケースとして、法令違反や不祥事を組織ぐるみで隠ぺいすることがあげられます。

    もちろん、法令違反や不祥事があっただけでも信用の低下は免れませんが、不都合な事実を隠ぺいし、後に発覚した場合にはより一層社会からの非難を受けることになり、レピュテーションの低下は大きいものになりなります。

    そこで、通常の業務報告のフローとは別の、会社の不正を通報する内部通報制度を整備する必要があります。この従業員が不正を報告できる内部通報制度が十分に機能することで、不祥事の隠ぺいを抑止し、また、早期に違法な行為を見つけることに活用できるでしょう。
    通報の窓口を法律事務所などの外部期間に委託することも有効です。

  3. (3)ネット情報管理

    ネットでの風評被害を早期に発見するため、ネットやSNSなどを監視するサービスやツールを導入することもまた有効な対応策です。

4、レピュテーションリスクが生じた場合の正しい対処法

万が一にもレピュテーションリスクが顕在化してしまった場合には、早急に適切な対応を講じる必要があります。誤った対応をしてしまったことで、さらに傷を広げる結果になることすらあります。

  1. (1)情報開示

    不正や不祥事が判明した場合や根拠のない噂が流れてしまっているような場合には、正しい情報や事実を早急に公開する必要があります。

    ウェブサイトを用いて情報提供を行うことが多いですが、重大な不正や不祥事などの場合には、会見を開催することも選択肢です。

    これらの情報提供の場面において、事実をことさらに隠ぺいしてしまうことがあると、後に発覚した場合にはさらなる社会的な非難が巻き起こってしまうので注意が必要です。
    もっとも、公開する情報の取捨選択や会社の責任に関する言及、発表の内容など慎重に判断する必要があり、法務トラブルの実績豊富な弁護士に相談することが得策です

    ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスでは企業法務の実績がある弁護士が在籍しています。まずはお気軽にご相談ください。

  2. (2)法的措置

    根拠のない悪質な噂を広めるSNSでの発信やネット掲示板などでの書き込みがあった場合には名誉毀損を理由とする損害賠償や書き込みの削除などの請求を行うことも被害にあった会社として取りうる対応です。

    これらの投稿は匿名でなされることが多いために、損害賠償請求などを行う前に投稿者を特定する発信者情報開示請求といった手続が必要になります。損害賠償の請求も含め、法的な知識が必要になりますので、弁護士にご相談ください。

5、まとめ

レピュテーションリスクはひとたび顕在化してしまうと会社経営に重大な影響を及ぼしてしまいます。

このようなことを回避するために、日々の従業員への教育や社内体制の整備が欠かせません。どのような内容の教育を行うのか、社内体制をどのように構築すべきなのか、という点も弁護士は豊富に相談を受けています。また、万が一レピュテーションリスクが顕在化してしまった場合の危機対応は、その後の賠償や行政処分、刑事処分も見据えた法的な観点からの判断が必要となります。

これら平時の社内体制の整備や危機発生時の対応について、ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスは豊富な経験があります。まずは丁寧に状況をヒアリングし問題解決に向けて尽力いたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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