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離婚時の財産分与に二世帯住宅は含まれる? 弁護士が解説

2023年02月22日
  • 財産分与
  • 二世帯住宅
  • 財産分与
離婚時の財産分与に二世帯住宅は含まれる? 弁護士が解説

2020年における静岡県浜松市の婚姻件数は3278件、離婚件数は1121件でした。

離婚された方の中には、婚姻時に夫婦どちらかの親と同居されていた方もいるかもしれません。親と二世帯住宅に同居していた場合、住宅が離婚時の財産分与の対象となることがあります。二世帯住宅の財産分与はトラブルに発展することが多いため、お早めに弁護士へご相談ください。

今回は二世帯住宅の財産分与について、ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスの弁護士が詳しく解説します。

出典:「浜松市統計書 令和3年版」(浜松市)

1、二世帯住宅も財産分与の対象になるのか?

二世帯住宅についても、夫婦のいずれかが婚姻中に権利を取得(購入)したものであれば、財産分与の対象となります。これに対して、所有権をすべて親が有している二世帯住宅や、婚姻前に取得した二世帯住宅は、財産分与の対象外です。

  1. (1)親が所有している場合|財産分与の対象外

    財産分与の対象となるのは、原則として夫婦が婚姻期間中に取得した財産です。

    したがって、二世帯住宅の所有権をすべて親が有しており、夫婦はそこに住ませてもらっているにすぎない場合、二世帯住宅は財産分与の対象外となります。

  2. (2)自分または配偶者が所有している場合|財産分与の対象になる

    二世帯住宅を夫婦のいずれかが所有しており、所有権を取得したのが婚姻中であれば、二世帯住宅が財産分与の対象となります。購入名義の如何にかかわらず、婚姻中に取得した財産であれば、夫婦共有財産として財産分与の対象になるためです(民法第762条第2項)。

    なお、二世帯住宅を夫婦が共有している場合にも、共有持分割合にかかわらず、二世帯住宅全体が財産分与の対象となります。

  3. (3)親と共有している場合|共有持分が財産分与の対象になる

    二世帯住宅が親との共有名義になっている場合は、夫婦のいずれかが有する共有持分のみが財産分与の対象となります。

    この場合、財産分与を受けた側は、残る共有持分を有する親(または義理の親)と二世帯住宅を共有することになります。

    実親との共有であれば大きな問題は生じませんが、義理の親との共有となる場合は、共有物分割請求などのトラブルが生じる可能性があるので注意が必要です(民法第256条第1項)。

  4. (4)婚姻前に取得した場合|所有形態にかかわらず、財産分与の対象外

    二世帯住宅を取得(購入)したのが婚姻前である場合、所有形態(単独所有・共有)にかかわらず、二世帯住宅は財産分与の対象外となります。

    夫婦の一方が婚姻前から有する財産は「特有財産」として、財産分与の対象外とされているためです(民法第762条第1項)。

2、二世帯住宅を財産分与する方法

二世帯住宅を財産分与する方法としては、主に以下の3つが考えられます。

  • 売却して代金を財産分与する
  • 他の財産との間で金額を調整する
  • 家に住む側が相手に金銭を支払う


ただし、住宅ローンが残っている二世帯住宅については、財産分与を行う際に住宅ローンの債務者変更が必要となる点に注意が必要です。

  1. (1)売却して代金を財産分与する

    不動産を財産分与する際には、売却して代金を分ける方法が比較的よく用いられます。二世帯住宅についても、この方法を用いることは可能です。

    ただし二世帯住宅の場合、親世代も同居しているので、子世代が離婚するからといって売却するのは難しいケースが多いかと思います。その場合は、別の方法による財産分与を検討しなければなりません。

  2. (2)他の財産との間で金額を調整する

    二世帯住宅の権利(所有権・共有持分)以外に十分な財産があれば、他の財産を含めて財産分与の金額を調整することができます。

    たとえば、婚姻中に取得した二世帯住宅(土地を含む)の所有権の価値が3,000万円である一方で、それ以外の共有財産(預貯金・有価証券・貴金属類など)も3,000万円分あるとします。

    この場合、二世帯住宅の所有権を夫婦の一方が得て、他方がそれ以外の共有財産をすべて得る形とすれば、公平に財産分与を行うことが可能です。

  3. (3)家に住む側が相手に金銭を支払う

    二世帯住宅の価値は一般に高額であり、その価値をカバーできるほど豊富に他の財産があるケースはまれでしょう。

    他の財産が十分にない場合は、二世帯住宅を取得する側が相手方に対して、一定の金銭を支払って埋め合わせる方法が考えられます。一括払いが難しければ、数年間で分割払いすることも検討し得るでしょう。

  4. (4)住宅ローンが残っている場合の注意点

    二世帯住宅の住宅ローンが残っている場合は、財産分与の方法を検討する際に注意が必要です。

    住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)上、住宅ローンの債務者は、物件の所有者と一致している必要があります。売却や財産分与によって、債権者の金融機関に無断で物件所有者が変更された場合、期限の利益を喪失して一括返済を求められる可能性があるので要注意です。

    財産分与によって二世帯住宅の所有者を変更する場合、それに伴って住宅ローンの債務者を変更する必要があります。

    ただしその場合、新債務者につき改めて融資審査が行われることになります。新債務者の収入が十分でない場合には、既存の住宅ローンと同額を借り入れることができない可能性があるのでご注意ください。

3、離婚後も家に住み続ける場合の注意点

財産分与の対象となる家に離婚後も住み続ける場合には、その権利を確実なものとするために、以下のポイントにご留意の上離婚手続きを進めてください。

  • 財産分与の内容をまとめた公正証書を作成すべき
  • 家についての権利関係に要注意
  • 住宅ローンの債務者変更は早めにシミュレーションを


  1. (1)財産分与の内容をまとめた公正証書を作成すべき

    家は価値の高い重要な財産であるため、財産分与の方法を明確に合意することがきわめて重要です。

    財産分与を含めた離婚条件について、合意内容を明確化するためには、離婚公正証書を作成するのがよいでしょう。

    公証役場で原本が保管されるため、紛失や改ざんなどを防ぐことができます。また、相手方が財産分与等の請求に応じない場合には、裁判所に対してスムーズに強制執行を申し立てることが可能です。

    離婚公正証書の作成は、弁護士に手配と代理対応を依頼することもできますので、お気軽にお申し付けください。

  2. (2)家についての権利関係に要注意

    財産分与後の家に住み続ける場合は、その根拠となる権利の種類に注意する必要があります。

    具体的には、以下のいずれかの権利に基づいて家に住むことになりますが、それぞれの特性に十分ご留意ください。

    1. (a)所有権
      家を自由に使用・収益・処分できる権利です。
      もっとも安定した権利です。

    2. (b)共有持分権
      他の共有者と共同で家を使用・収益・処分できる権利です。
      家全体を使用することができますが、売却や賃貸などの際には、他の共有者と協議の上で意思決定を行う必要があります。また、他の共有者から共有物分割請求を受けるリスクも存在します。

    3. (c)賃借権
      所有者に賃料を支払う代わりに、家を使用・収益できる権利です。
      借地借家法によって保護された強力な権利ですが、毎月賃料が発生するのが難点です。

    4. (d)使用借権
      所有者の許可を得て、家を無償で使用・収益できる権利です。
      非常に弱い権利であり、将来的に家から追い出されてしまうおそれがあります。
  3. (3)住宅ローンの債務者変更は早めにシミュレーションを

    住宅ローンが残った家を財産分与する場合、金融機関の再審査を経て債務者変更を行う必要があります。

    債務者変更の審査に通るかどうかは、新債務者の収入や物件価値などの経済事情によって異なります。家の名義変更を伴う財産分与を検討するに当たっては、住宅ローンとの関係でそれが可能なのかどうか、早めに金融機関と相談しておきましょう。

4、財産分与の悩みは弁護士に相談を

財産分与は、離婚時に揉めやすい論点のひとつです。特に二世帯住宅を所有している場合、親世代との調整が必要となる上に、住宅ローン関連の手続きも絡んでくるため、非常に複雑な対応が求められます。

弁護士にご相談いただければ、二世帯住宅に関する対応を含めて、スムーズに財産分与を行うことができるようにサポートいたします。配偶者との離婚を検討しており、財産分与について懸念がある方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

婚姻中に取得した二世帯住宅は、財産分与の対象となります。

二世帯住宅の財産分与は、親世代との調整や金融機関での手続きが必要となるため、複雑な対応を慎重に進めなければなりません。トラブルなく財産分与を完了するためには、弁護士への相談をおすすめします。

ベリーベスト法律事務所は、財産分与を含めて、離婚に関するご相談を随時受け付けております。配偶者との離婚をご検討中の方、二世帯住宅の財産分与についてご不安をお抱えの方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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