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会社に自己都合退職とされたが失業保険は受け取れる? 会社都合とどう違う?

2020年10月20日
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会社に自己都合退職とされたが失業保険は受け取れる? 会社都合とどう違う?

百貨店や飲食店などが多数集まる浜松市中心部。時代や景気の影響を受け、さまざまな施設が開店・閉店を繰り返してきました。

大型施設が閉店すると、従業員は転籍や退職を余儀なくされます。退職となった際に、次の仕事を始めるまでの生活の支えとなるのが失業保険です。

突然の解雇では退職後の生活の準備ができていないことも多く、失業保険の役割も大きくなります。そこで今回は自己都合・会社都合の違いなどについて弁護士が解説します。

※公開:2020年09月04日、更新:2020年10月20日

1、失業保険の受給条件や手続き

一般的にいう失業保険とは「雇用保険の基本手当」のことです。離職後、次の仕事に就くまでの支援として支給されます。そこでまずは受給条件など、失業保険の基本的な部分についてご説明します。

  1. (1)失業保険の受給条件

    失業保険を受け取るためには、次の3点を満たしていることが必要です。

    • 失業している
    • 離職日以前2年間に、通算12か月以上雇用保険に加入している
      (特定受給資格者・特定理由離職者は、離職日以前1年間に通算6か月以上の加入で可)
    • ハローワークに求職の申し込みをしている

    なお、この条件を満たしていても病気やけが、出産、家事に専念などの事情により、すぐに求職活動ができない場合は受給の対象外です。
    離職後間もなく再就職することが決まっている場合や自ら事業を立ち上げた場合も、求職の必要がないため受給できません。

    この失業保険は離職したことで自動的に給付されるわけではありません。
    ハローワークで求職の申し込みをし、再就職の意思を示すことが受給の大前提です。

  2. (2)必要書類と手続きの流れ

    失業保険の受給を申請する際には、以下の書類を準備しましょう。

    • 離職票
    • 雇用保険被保険者証
    • 身分証明証
    • マイナンバー確認書類
    • 証明写真
    • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
    • 印鑑

    必要書類がそろったら、ハローワークに受給申請をします。
    浜松近郊には「ハローワーク浜松(中区)」「ハローワーク細江(北区)」「ハローワーク浜北(浜北区)」があります。

    手続きは次のような流れで進みます。

    • ハローワークに必要書類を提出し申請、求職も申し込む
    • 7日間の待機期間(失業が明らかなことを確認するもので、基本手当の支給はありません)
    • 雇用保険の説明会に参加、求職活動
    • 失業認定されれば受給開始

    ただし、失業認定から受給開始までにはタイムラグがあることがあります。その長さは自己都合退職か会社都合退職かで大きく異なります。詳細は後述します。

  3. (3)受給期間は1年、早めの申請が鉄則

    失業保険の受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。

    申請日から1年間ではありませんので、注意してください。
    申請が遅れれば遅れるほどもらえる期間が短くなり、総額が減ります。

    たとえば、退職から半年後に申請をすると、退職から1年の時点ではまだ受給中でしょう。ですが、1年が到来すれば、そこで支給が打ち切られます。
    満額受け取るためには、早めの申請が鉄則です。

    ただし、出産・育児や病気ですぐに求職活動できない場合など、受給期間を延長できるケースもあります。

2、「会社都合退職」と「自己都合退職」の違いとは?

会社都合か自己都合かは、失業保険で非常に大きな違いがあります。「どっちでもいい」という方もいると思いますが、お金の面でかなりの差が生まれるため、安易に判断すると後悔するかもしれません。

  1. (1)会社都合退職とは

    会社都合退職とは、会社の一方的な都合で退職させられたり解雇されたりしたケースのことです。

    具体的には会社の倒産やリストラ、ハラスメント、職場のいじめ、賃金未払、連日の長時間労働などによる離職がこれに該当します。
    失業保険では「特定受給資格者」という区分です。

    自ら退職を選んだわけではなく、再就職を準備する時間もなかったため、自己都合退職に比べて手当などの面で優遇されます。

  2. (2)自己都合退職とは

    自己都合退職とは、個人的な理由により退職をしたケースのことです。
    転職や引っ越し、結婚、病気、家庭の事情など人によって理由はさまざまです。

    また、問題を起こして懲戒解雇された場合も、自己都合として扱われます。

    なお、自己都合退職であっても雇い止めや家庭状況の変化など、やむを得ず離職した場合には「特定理由離職者」として扱われ、会社都合退職と同様に優遇されます。

  3. (3)失業保険における会社都合と自己都合の違い

    失業保険の手当の面で、会社都合退職は自己都合退職に比べてかなり有利です。
    両者には次のような差があります。

    ●会社都合退職
    手当の最短支給開始日:7日後
    給付日数:90〜330日
    最大支給額:約260万円
    受給条件:離職前2年間に通算12か月以上雇用保険に加入

    ●自己都合退職
    手当の最短支給開始日:3か月7日後(※)
    給付日数;90〜150日
    最大支給額:約118万円
    受給条件:離職前1年間に通算6か月以上雇用保険に加入

    退職者にとって特に大きな影響があるのは、手当の支給開始日でしょう。

    会社都合でも自己都合でも、失業保険の申請後7日間の待機期間中は、手当ては支給されません。
    自己都合の場合、それからさらに3か月の給付制限(※)があります。
    (※)令和2年10月1日以降に離職した方は、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2か月となります。

    また会社都合の方が給付日数は長く、支給額も最大約140万円の開きがあります。受給条件も自己都合に比べてゆるいといえます。

    同じ退職でも自己都合と会社都合にはこれだけの差があることを、ぜひ覚えておいてください。

3、「自己都合退職」を「会社都合退職」に変えることはできる?

会社の事情で解雇されたのに、離職票を受け取ってみたら「自己都合退職」と記載されていた……。こういうケースは珍しくありません。おかしいと思ったらそのままにしていてはいけません。

  1. (1)離職票の離職理由を確認

    会社を退職する際に、会社から離職票が発行されます。
    離職票の2に「離職理由」という欄がありますので、まずそこを確認してください。

    会社都合なのに自己都合の扱いになっている場合は、すぐに対処する必要があります。

    また、退職前に、会社から「会社都合ではなく自己都合にしてほしい」と依頼された場合は、簡単に受け入れてはいけません。

  2. (2)会社に変更を依頼

    会社都合なのに勝手に自己都合に変えられている場合や、会社の依頼で自己都合を受け入れてしまった場合には、まずは会社に変更を依頼しましょう。

    ただし、単純な事務のミスの場合を除き、会社は意図して自己都合にしているため、まず変更は受け入れてくれないでしょう。その場合は別の手段をとりましょう。

  3. (3)ハローワークに相談

    離職理由を変更してもらいたい場合は、ハローワークに異議申し立てをしましょう。

    異議申立書を作成するとともに、離職票2の「離職者本人の判断」の欄で異議「有り」に丸をして提出してください。
    それだけでは説得力がないため、会社都合であると証明するための資料も添付します。

    ハローワークが内容を審査し、会社都合であると認定してくれれば離職理由を変更してもらえます。

4、不当解雇や未払い残業代がないか確認

退職理由を勝手に自己都合にするような会社は、残業代の未払いなどの問題が発生しているケースが少なくありません。またそもそも解雇が不当な可能性もあります。退職するからと泣き寝入りせず、会社にきっちり対応を求めましょう。

  1. (1)不当解雇ではないか?

    解雇には「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇」の3種類があります。
    会社には当然ながら、従業員を解雇する権利があります。
    ただしいずれの解雇でも、法律に違反している場合には不当解雇に該当します。

    労働者を不当な解雇から守るため、労働契約法第16条は次のように規定しています。
    「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」

    これに反している場合には不当解雇の可能性が高いため、会社に解雇の撤回や損害賠償を求めることができます。

    しかしながら、仮に裁判所で解雇が無効と判断されても、実際には会社に復職して今まで通りに勤務することは困難である場合が多いと思います。このため、解雇が無効とされた場合でも金銭解決で終結する場合が多くなります。

  2. (2)残業代の未払いはないか?

    退職までに「サービス残業をさせられていた」「残業代が支給されなかった」「勤務記録が書き換えられていた」といった事情があった場合、残業代の未払いが発生している可能性が高いでしょう。

    給与明細や勤務記録など、証拠となりそうなものはできる限り保管しておき、会社に未払い分の支払いを求めましょう。

    「退職してしまったのでもう請求できないのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、退職後でも請求は可能です。

    ただし、残業代の請求には2年の時効があります。
    時効が過ぎた分は原則として請求できませんので注意してください。

  3. (3)会社の対応に不満がある場合は弁護士に相談

    自己都合・会社都合の扱い、残業代の未払いなど、会社の対応に不満がある場合には、弁護士へご相談ください。

    弁護士は経緯を確認し、解雇の撤回や未払い残業代の支払いなどを求めます。状況によっては裁判などの法的手段にも利用します。
    「会社と話し合うのは気が引ける」という方も、弁護士が代わりに交渉にあたりますので心配いりません。

5、まとめ

退職に関するトラブルは非常に多く、訴訟まで発展するケースは珍しくありません。

弁護士はお客様のご要望をしっかりと聞きながら、ハローワークへの対応や会社との交渉・裁判など必要な対策を行っていきます。ご相談だけでも構いませんので、お気軽にベリーベスト法律事務所 浜松オフィスまでご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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