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サラリーマンが自己破産した場合、生活への影響はどうなる?

2022年03月03日
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サラリーマンが自己破産した場合、生活への影響はどうなる?

東京商工リサーチの全国企業倒産状況によると、2021年中に静岡県内で発生した企業倒産は180件でした。

サラリーマンで安定した収入があっても、思わぬことで借金を抱えてしまうことがあります。突然の減給や長引く不況による失職によって収支が苦しくなった方や、返済のために借金を作った方などもいらっしゃるかもしれません。

もし、返済のめどが立たず、サラリーマンで自己破産をした場合、生活への影響はどうなるのでしょうか。この記事では、サラリーマンの方が自己破産をした場合、生活に生じる影響について、ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスの弁護士が解説します。

1、自己破産とは?

自己破産とは、財産の処分と引き換えに、債務を免責してもらう債務整理手続きで、債務者自身が申し立てるものです。簡単にいえば、一定の条件を満たすことで借金をゼロにできる法的な手続きです。

手続きの流れは、まず、借金をした債務者は「支払不能」であることを条件として、裁判所に自己破産を申し立てます。

支払不能とは、「支払能力を欠くために、弁済期が到来している債務を、一般的・継続的に弁済できない状態(破産法第2条第11項)」とされています。つまり、借金の返済ができる収入の見込みがない状態です。

裁判所に支払不能として自己破産の手続きが認められると、債務者の財産は処分され、換金されて、銀行や消費者金融などの債権者の配当に充てられます。

こうして、すべての財産の換価・処分と、債権者への配当が完了し免責が認められると、残った借金は原則としてすべて帳消しとなります

自己破産の免責が認められれば、借金をゼロにして再スタートを切ることができます。重い借金を抱えたまま生活を立て直すのは非常に厳しいものです。債務の負担を抜本的に解決できる点が、自己破産の大きなメリットです。

2、サラリーマンが自己破産した場合の影響は?

自己破産は、サラリーマンの方も利用することができます。

しかし、自己破産は債務の免責という強力な効果があるため、その反面、生活に一定の影響を及ぼすことになります。

もしサラリーマンの方が自己破産を検討する場合には、以下のポイントを踏まえて、ご自身やご家族に生じる生活上の影響を分析してから、本当に自己破産すべきかどうかを判断しましょう。

  1. (1)持ち家や車などは処分される

    自己破産の最大のデメリットは、債務者(破産者)が所有する財産が処分される点です。
    生活に最低限必要な財産(99万円以下の現金など)は手元に残しておくことができますが、高額の財産は処分されてしまいます。

    たとえばマイホームを所有している場合には、自己破産によって処分されてしまうことが確実です。

    また、車を所有している場合にも、耐用年数を超過していて市場価値がない場合を除いて、基本的には処分されてしまうと考えておくべきでしょう。

    処分されるか否かの目安としては、家財道具や衣類等の生活に必要な物の他、上記の99万円以下の現金、その他の20万円以下の財産は基本的には換価処分の対象になりません。また、処分されない財産を拡張してもらう申し立てを行う場合もあります(自由財産の拡張と言います)

    もしこれらの財産を所有していて、処分されては困る状況にある場合には、別の債務整理手続きを選択した方がよいかもしれません。

  2. (2)自己破産手続きにおける給料の取り扱い

    自己破産をすると、「給料まで没収されてしまうのではないか」と不安になる方もいらっしゃるかと思います。結論としては、給料の大部分はそのまま受け取れますので、ご安心ください。

    厳密には、自己破産手続きにおける給料(給料債権)は、以下のとおり取り扱われます。

    ① 破産手続開始決定の時点で、すでに受け取り済みの給料
    →破産手続きによる処分の対象になる

    ② 破産手続開始決定の時点ですでに発生しているものの、まだ受け取っていない給料
    →手取り額の4分の1のみ、破産手続きによる処分の対象になる(ただし、手取り月額が44万円以上の場合には、33万円を超える部分は破産手続きによる処分の対象になる)

    ③ 破産手続開始決定後に発生する給料
    →破産手続きによる処分の対象外


    上記のとおり、破産手続開始決定後に発生する給料は全額受け取れますので、自己破産後の生活に必要な資金を確保できるでしょう。

    ただし、将来受け取る見込みの退職金(退職金債権)については、その一部が換価処分の対象となる可能性があります退職金債権の取り扱いに関する運用は、裁判所によって異なりますので、依頼先の弁護士などにご確認ください

  3. (3)自己破産が周囲に発覚するリスクは低い

    会社の同僚や知人友人などに、自己破産の事実がバレてしまうことは避けたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

    自己破産をした事実は官報(政府の機関紙)に公告されるため、すべての人が閲覧できる状態となります。

    ただし、金融機関など一部の職種の方が官報をチェックするということはありますが、一般の方が膨大な官報の情報の中から自己破産をした事実を「たまたま」発見する可能性は低いといっていいでしょう。

    なお、同居している家族に収入があると、裁判所から所得証明書などを求められるケースもあるため、その場合、隠し通すことは難しいでしょう。後から発覚するより先んじて相談することも信頼関係を維持するために必要といえます。

  4. (4)資格制限の対象職種に就いている場合は要注意

    自己破産によって職を失うことは原則としてありませんが、一部の職種には資格制限が発生し、休職などを強いられる可能性がある点に注意が必要です。

    自己破産による資格制限が発生する主な職種は、以下のとおりです。

    ● 各種士業
    弁護士、弁理士、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、社会保険労務士、通関士など
    ● 各種委員会の委員
    公正取引委員会、社会保険審査会、国家公安委員会、教育委員会など
    ● 金融機関の役員
    取締役、執行役、監査役など
    ● 警備員


    資格制限は、免責許可が確定した場合などに解除されますが(破産法第255条第1項)、一時的でも仕事ができなくなる可能性がある点に留意しておきましょう。

3、サラリーマンであれば、個人再生も有力な選択肢

自己破産のデメリットを避けたい場合、「個人再生」を利用することも有力な選択肢です。
特にサラリーマンの方は、安定した給与収入があるため、個人再生を利用しやすい面があります。

  1. (1)2種類の個人再生|小規模個人再生・給与所得者等再生

    個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つの手続きがあります。

    このうち「小規模個人再生」が、個人再生手続きの原則的な形態です。
    小規模個人再生では、銀行や金融機関などの債権者が決議した再生計画案に従い、減額された債務を引き続き支払っていくことになります。

    一方「給与所得者等再生」では、債権者による再生計画案の決議がなくとも、債務の減額を実現できます。ただし、収入の安定性や最低弁済額に関する条件は、小規模個人再生よりも厳しくなっています。

    サラリーマンの方であれば、どちらも利用できる可能性が高いですそのため、債務減額の条件や、債権者から再生計画への同意を得られる見込みがあるかどうかなど見極める必要があります

    小規模個人再生の決議は不同意の意見が過半数の場合に不認可となるもので、実際に不認可になる場合は多くはありません。どちらの手続きを選択するかの判断は、実績のある弁護士に相談するとよいでしょう。

  2. (2)個人再生が自己破産よりも有利なポイント

    個人再生の場合、自己破産とは異なり、原則として財産の処分をしなくてもよい点が大きなメリットです。

    例外として、担保権付きの財産は処分されてしまいますが、自宅の土地・建物については、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を活用することで、マイホームの処分を回避できる可能性があります

    マイホームを含めて、手元に残しておきたい財産がある場合は、自己破産ではなく個人再生が利用できないかを弁護士に相談してみましょう。

  3. (3)個人再生が自己破産よりも不利なポイント

    ただし、個人再生の場合は「最低弁済額」が設けられているため、自己破産とは異なり、債務全額の免責は認められません。

    最低弁済額は、債務の金額に応じて以下のとおりです(民事再生法第231条第2号~第4号)。

    債務総額 最低弁済額
    100万円以下 減額なし
    100万円超500万円以下 100万円
    500万円超3000万円以下 減額前の5分の1
    3000万円超5000万円以下 減額前の10分の1
    5000万円超 個人再生は利用不可


    なお、給与所得者等再生の場合は、上記に「可処分所得の2年分以上」という条件が加わります(同法第241条第2項第7号)。

    さまざまなデメリットを甘受したとしても、債務をゼロにしてきれいに再スタートを図りたい場合には、個人再生ではなく自己破産を選択した方がよいでしょう。

4、自己破産・個人再生は弁護士に相談を

自己破産を選択するか、個人再生を選択するかについては、債務者の状況によってベストな選択が異なります。また、裁判所を介さない任意整理という方法もあります。

弁護士に相談すれば、ひとりひとりの状況と照らして総合的にどの手続きを選択するのがよいかについてアドバイスを受けられるでしょう。

また、弁護士に依頼すれば、煩雑な自己破産・個人再生の手続きへの対応を、一括して任せることができます。会社員としてフルタイムで働いている方であれば、精神的にも時間的にも負担が軽減されるでしょう。

自己破産・個人再生により、スムーズに債務の負担を軽減して新たなスタートを切りたいとお考えの際は、まず弁護士に相談することをおすすめします

5、まとめ

サラリーマンの方が自己破産をした場合、価値のある財産を処分されてしまうことで、生活に支障が生じるおそれがあります。もし財産の処分を避けたい場合には、個人再生など、別の債務整理手続きの利用も併せてご検討ください。

ベリーベスト法律事務所 浜松オフィスでは、借金などの債務負担にお悩みの方に向けて、債務整理のご相談を随時受け付けております。依頼者のご状況に合わせて、最適な債務整理の方法をご提案いたしますので、まずはご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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